Sick House Report - Page 1/3



A.A.fromnow Report - "Sick House"

”建物と病気”


住宅から発散される様々な化学物質により、めまい・肩こり・イライラ・吐き気・冷え性・各種アトピー性皮膚炎や果ては、家庭不和(生殖本能の低下)まで引き起こす事が知られてきました。
俗に言う「シック・ハウス症候群」です。 これらは、住宅内の湿気によるカビやダニ、建材・家具のプラスティック製品・建築用接着剤や合板・ビニールクロスのホルムアルデヒド等化学物質による事が多いので、今回はその事について纏めてみました。



建築基準法の「法ー第1条ー第1章に「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資する事を目的とする。」
と有りますが、国民の生命、健康の事の規制は少なく、・・・・国民の生命、健康の保護とは、時代遅れな規制が主で・・・・財産の保護に重点が置かれているのが現状です。
これでは、施工業者や設計者は、有機リン系化学物質を含んだ難燃壁紙・ビニールクロス・不燃材を使う方向に流れてしまいます。又 施工の安易さや安価さ、見た目が綺麗な事により、ビニールクロスが巷に氾濫します。 木材を張り合わせた「合板」には、接着剤が使われ、現在の畳には防ダニ加工が施されていることが多い。 ・・・・・・ ダニも嫌だが、化学物質も恐い!

更に、現代人は、暑さや寒さを嫌がり、空調設備(機械/科学)に頼ります。そして、外界から完全密封し、空調効果を上げる為に 気密性の高いアルミサッシ(今ではあたりまえの事ですが!)を使い、・・・新鮮空気の循環が少なくなり、室内の汚れた空気をまともに吸い続ける結果になります。
都会(一部)では法律(建築基準法=延焼の恐れの有る範囲)でアルミサッシやスチールサッシを使わざるおえませんので、カビやダニの発生を助け、且つ 色々な化学物質に汚染されている、室内を密封状態にします。食べ物の食品添加物には、うるさく、物申す人々も、家のことになるとかなり静かになります。食品は、一日に数度食べる時(これも大変な事ですが!)だけ注意すれば良いのですが、家の中の空気は、常時体内に入り込みます。
厄介な事に、密閉状態ではこの化学物質は 10年、20年経過してもなくなりません。家を建てる時に、何とか考えなくては 我々は一生 有害な化学物質の中で過ごす事になりかねません。


一昔前までは、障子やふすま、木製サッシで隙間風が入り、冬は寒く・夏は暑い! そんな訳で住み辛かったのですが、・・・・・・ !?  上から叩けば下に出る / 右を叩けば左が出る! 全てに共通する事だと思います。
便利さや快適さばかりに眼を奪われずに、何に対しても”風通しの良い状態”でいる事ではないでしょうか?
何を選択するか、どう生きるかの一つの目安/風通しとしてこの情報を活用して下さい。



シック・ハウス=病める家のリポートです。


「表1」 化学物質・建材 > 人体影響

化学物質 使用建材 人体への影響 使用薬剤
ホルムアルデヒド 合板
壁紙
建築用接着剤
壁紙の接着剤
発ガン性
発ガン促進作用 アトピー ・喘息
アレルギー等
ホルマリン
有機リン系
化学物質
難燃壁紙
シロアリ駆除剤 防ダニ加工
合板の防虫剤等々
発ガン性
急性・慢性毒性
遅発性神経毒性 頭痛 ・倦怠感
胸部圧迫感 ・発汗・ 下痢 ・筋萎縮・視力低下等
フエニトロンチオン
フエンチオン
S-421クロルピリホスホキシムリン酸
トリクシルリン酸
トリエステル等
有機溶剤 塗料(ペンキ)
接着剤
シロアリ駆除剤
ビニールクロス
発ガン性
頭痛 ・めまい
中毒・目鼻刺激
吐き気 ・皮膚炎
中枢神経系障害等
酢酸プチル
トルエン
キシレン
デカン
アセトン等
フタル酸
化合物
壁紙の接着剤
塗料
発ガン性
ホルモン異常
生殖異常 ・胃腸障害 ・中枢神経系障害
麻痺 ・下痢 ・嘔吐等
DOP
DBP
BBP
有機塩素
化合物
(ダイオキシン発生)
ビニールクロスの素材 脳腫瘍 ・肝臓ガン・ 肺がん・乳がん・ めまい ・リンパ腫・ 手足のしびれ等 モノ塩化ビニール
防腐処理木材
合板の防虫剤等々

腫瘍 ・白血病 ・胎児の奇形 ・皮膚障害 ・肝臓障害 ・食欲不振 ・多量発汗・ 不眠 ・倦怠感

ペンタクロロフェノール等

上の表を見ると 現在の状況では、住宅の化学物質の包囲から完全に逃げるのは、不可能ではないかと思えてしまいます。 法律(建築基準法)では、共同住宅などの特殊建築物や一般住宅の「火気使用個所」では、難燃材以上の材料を使用しなくてはなりません(内装制限)。 ・・・・・・ 火事も嫌だが、化学物質も恐い!




「表2」 住宅に蔓延する「猛毒環境ホルモン」と使用建材

化学物質 使用建材 備考
ポリ臭化ビフェニール 難燃カーテン 布を燃えにくくする
マラソン 新畳 防虫・防カビに使用
ビスフェノールA 簡易カーポート 日よけの樹脂材
フタル酸ジヲクチル 壁用クロス クロスを柔らかくする為の可塑材
フタル酸プチルベンジル 床用タイル
(Pタイル)
Pタイルを柔らかくする為の可塑材
フタル酸ジブチル ラッカー接着剤 クロス等を張るときに使用・揮発性が強い
フタル酸ジシクロヘキシル アクリルラッカー塗料 内外材に多用・揮発性が強い
フタル酸ジエチル 合板接着剤 酢酸ビニール原料
ヘキサクロロシクロゲキサン 木材保存剤 家庭用殺虫剤として、 1972年に使用禁止。
ポリ塩化ビフェニール 電気絶縁体 1972年生産禁止
ペンタクロロフェノール 除草剤 1990年使用禁止
クロルデン 床下防虫剤 1986年使用禁止
オキシクロルデン 床下防虫剤 有機塩素系殺虫剤


シックハウス対策 「建築基準法改正」・平成15年7月1日施行



シックハウス対策による規制導入のため、建築基準法が一部改正となり平成15年7月1日〜施行。
シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、建築物に使用する建材や換気設備を規制する法律です。
対象は、住宅、学校、事務所、病院等、全ての建築物の居室が対象となります。 改正の概要

● 対象となる化学物質
平成15年7月1日の改正時点での対象となっている化学物質はホルムアルデヒド、 クロルピリホスの2物質です。
● 居室の制限
建築物の居室には、住宅等の居室※にあっては換気回数0.5回/時、その他の居室にあっては換気回数0.3 回/時以上の能力を有する換気設備を設置しなければなりません。
※(住宅等の居室とは住宅の居室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室、家具その他これに類する物品の販売業を営む店舗の売場)  また、居室に使用することのできる建材も面積により使用制限されます。
● 天井裏等の制限
天井裏等(天井裏、小屋裏、床裏、壁、物置、居室に設けられる収納スペース)から居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、次のいずれかの措置が必要となります。 ただし、収納スペースなどであっても、建具にアンダーカット等を設け、かつ、換気計画上居室と一体に換気を行なう場合については、居室とみなされ,居室の対策を講じなければなりません。
@ F☆☆☆以上の建材の使用による対策
A 気密層や通気止めの対策
B 機械換気設備を設置し、当該部分を居室より気圧を低くする対策
今後の取り扱いについて 平成15年7月1日以前に着工をしている建物については、法の適用はありませんが、その他のものについては、改正後の適用を受けますのでご注意ください。

まだまだ中途半端ですが、行政もやっと重い腰をあげました。


シックハウス対策のための法制度の流れ



「建築基準法改正」に係る取り組みと今後の課題 

政府提案(国土交通省所管)の「建築基準法改正案」と民主党(議員立法/発議者:櫻井充参議院議員ほか)提案による「特定化学物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案」が参議院に提出され、 国土交通委員会では、※CS支援センター理事の尾竹一男氏をはじめ3名による参考人意見陳述も行われました。これまでの審議では、建材規制である政府案(入口規制)に対して建築後の濃度測定による規制の民主党案(出口規制)、この点が大きな争点とされ論議されました。 「※CS支援センター = 化学物質過敏症支援センター」
その審議は大変白熱しており、質問内容も本質を突いたものが多く、審議等を通じてシックハウス対策に関する委員の認識が深まっているように思いました。
今回の「建築基準法改正案」および「シックハウス対策法案」の国会審議に先立ち、平成15年3月12日には「『シックハウス対策』法制化促進シンポジウム」と題した緊急シンポジウムを江田康幸衆議院議員(公明党)、櫻井充参議院議員(民主党)、瀬古由起子衆議院議員(共産党)、武山百合子衆議院議員(自由党)の参加のもとに開催されています。
研究者や市民団体、行政からは、東大の柳沢幸雄教授、尾竹氏、網代氏、国土交通省の杉藤崇氏をパネリストに須田春海氏(CS支援センター理事)のコーディネートにより法案の内容などについて議論しています。
北里研究所病院の石川哲氏も、急遽パネリストとして参加。(平成15年4月14日付東京新聞に掲載)
シックハウス症候群をはじめとする化学物質過敏症対策に、ようやく1歩目を踏み出しました。しかし、その内容はシックハウスの“予防”のための対策であり、すでに発症している方々に対する医療・治療・療養などの対策や、依然として防蟻事業者が野放しにされていることなど、今後の課題も多く残されています。
このような点については、委員会審議でも質問されていますが、その答弁のほとんどはあいまいなものになっています 。・・・・【参考】

≪ ▲UP ≫

▲UP をクリックすると、ページの一番上に戻ります


A.A.fromnow Report " Sick House " - Page1 . 2 . 3 Page 2