[ FROMNOW MULTI REPORT - 2 / 宇宙・地球・生命の不思議 ]

1/3Page - 宇宙の誕生

宇宙の誕生


オリオン座大星雲
撮影 / パロマー山天文台

散光星雲の代表。
地球からの距離は約1500光年とかなり近い星雲で、ガス雲から生まれつつある星を、数多く見ることが出来ます。



宇宙はどのようにして出来たのか?
宇宙の大きさは?
宇宙の外側はどうなっているのだろうか?
地球はどのように出来たのか?「地球の生成」
地球の寿命は?
生命はどのように この地球上で誕生したのか?
他の天体に知的生物は存在する可能性は?
生命は死後どこに行ってしまうのか?
地球の終わりはどのようになるのか?
宇宙に終わりはあるのか?
・・・・・・・・・・・・

そのような疑問を、私なりの角度から短く 且つ、分かりやすく纏めてみましたので、読みにくいところがあるかもしれませんが最後までお付き合い下さい。
私なりの”角度”と言う事で、私の主なる思いを「まえがき」として下記に記載しておきます。



まえがき -------- ≪ 宇宙そしてその外側 ≫

現在・世界中の自然科学/宇宙物理学者が束になっても、”宇宙の実体”の”欠片”すら解らないのが実情です。
ですから、・・・・・・・・・・
宇宙そしてその外側を考える時には、Nicolaus Copernicus の ”地動説”という考え方から解放された思考も必要で、「天動説云々!」馬鹿らしいことのようですが、真面目に考えることも一考だと思います。
何故ならば、・・・・・・・・
主観も客観もない、根源的実在!/ 時間も空間も超越した宇宙 或いは、その外の世界では、何も動いていないといえば動いていないし、全てが動いているといえば動いています。
又、”時間”もなく”永遠なる現在”があるのみとも考えられます。 思考に自由性を持たせ、物理的(地球的)な”天・地動説”から抜け出して宇宙を考えれば、視点の位置によっては”地動説”になったり”天動説・全動説・無動説”になったりしますので、 ただ、理解(認識)する ”場” の違いという事にもなりえます。 
そこで、問題意識を”天”が動いているか、”地”が動いているかではなく、現代人の”視覚、思考(認識)”の硬直化に向けるべきなんですね。 ・・・・・ 全てが「藪の中」ですから! 何事も決め付けて思考するなということです。 
デカルト的思考から離れ、思考・論理に自由性を持たせると、 私(貴方)が”宇宙”そのものなのかもしれませんし、逆に言えば、”宇宙”が私(貴方)! という考え方も出来ます。その位に自由な気持ちになって読み進めて下さい。




[宇宙(日本語/漢字)・言葉の意味]

中国・漢の時代の准南王・安の編した「准南子」という書物ありますが、この書物に「宇宙」について書いてあります。
「四方上下これを宇といい、往古来今これを宙という」
つまり、四方八方に広がった空間それが宇であり、昔から現在そして未来へ絶え間なく流れていく時、それが宙である。このように書いてありますが、これは優れた考え方のように思えます。西洋ではコスモス(COSMOS)とかユニバース(UNIVERSE)という言葉がありますが、それには宇宙という言葉が持つほどの意味はないと思われます。






宇宙創生と進化のパラダイム

宇宙の始まり


現在膨張を続けている宇宙は百数十億年前には一点(数学的観念の大きさではない点)に集まっていた。宇宙の全物質が一点に集まっていたなどとは信じがたいが、高温高密度の火の玉のようなものが宇宙の始まりだったようだ。その火の玉が何らかの理由で猛烈な爆発を起こし、私達の観念を超えた速さで、ガスや塵が四方八方に広がり現在の宇宙を生成しています。

これは、十数年前からの電波観測により火の玉のように熱かった「宇宙」の名残りの電波が空全体から観測され、今では爆発宇宙(ビックバン)説は定説になっています。又、ビックバンから百数十億年経ったこの宇宙は現在、猛烈な速度で膨張しています。その膨張の勢いは、距離に比例した速度で遠ざかっています。(宇宙の中心から遠いほど速い速度で膨張している) 遠く離れたところでは、なんと毎秒24万キロ、つまり光の速さの10分の8といった物凄い速さで遠ざかっています。さらに速く(遠く)なると光の速さに近づき我々の眼には届かなくなってしまい、それを「宇宙の地平線」と呼ぶ科学者もいます。
今も膨張し続けている宇宙の果ては、光の速さに限りなく近い速度で我々から遠ざかっている為、物理的に宇宙の大きさを確認する事は不可能に成っているようです。
とてつもない事が 我々が存在するこの地球・太陽系・銀河系そして宇宙でおこっています。その神秘に少しだけ近づきたくてこの特集を組みました。




≪ 宇宙と宗教 ≫

全てになんらかの原因があり、現象が起こっているのです。
それが「神」なのか、「必然や偶然」なのか?
観念を超えた未知の現象に関して、現時点では
「神」の助けを借りなくては説明できない事が多過ぎますが、このリポートでは敢て、汎神的一元論はさけ、デカルト的に方法的懐疑による「科学的範疇の宇宙と生命論理」で纏めてみました。

しかし、大きさや時間と言う物質的概念を超越した宇宙!

そこに誕生し、その宇宙の事を考える生命!
その生命体が、考えれば考えるほど、スピノザ的汎神論やヴェーダ、ウパニシャッドに興味が向かうのは何故だろうか?・・・・





近代自然科学の祖 / アイザック・ニュートンさえもこのように言っている。


霊魂は、主として、彗星から来たように私は思う。霊魂は、実際、私達の空気の中に含まれる最も小さな、最も微妙な、役に立つ粒子である。そして、それは、この地上のすべての生命を維持するのに必要なものである。




127億年以上前の最古・「銀河団」を発見
2005年2月17日(読売新聞)
The Future of Cosmology with Clusters of Galaxies

【撮影:すばる望遠鏡】

137億年前の宇宙誕生から10億年後までの間に形成された銀河の集合体である最古の「銀河団」を東大、国立天文台などの研究チームが米ハワイ州にあるすばる望遠鏡で発見、17日発表した。
これまでの観測記録を5億年さかのぼる。宇宙最大の天体である銀河団が、宇宙開びゃく後早い時期から存在していたことを示す成果という。研究チームは2002年から03年にかけて南天のくじら座の方角を観測し、銀河が発する光の波長のずれをもとに地球からの距離を測定した。その結果、127億光年離れた位置に、6個の銀河が差し渡し300万光年の範囲に固まって存在することを確認した。 天体は遠くにあるほど古く、127億年以上前にできた銀河団ということになる。この最古の銀河団は、ふつうの銀河団より銀河の数が少なく、全体の質量も100分の1以下だが、一帯では星が活発に誕生しているとみられる。 銀河団は、離れている銀河同士が重力で引き合って作られていくという考えが主流だった。だが、研究チームの代表者である米宇宙望遠鏡科学研究所の大内正己研究員は、今回の発見を元に「特定の領域で銀河がかたまって誕生したため、初期の銀河団ができた」と推定、従来の理論の修正につながると話している。
◆銀河団=直径約1000万光年の範囲に数十個から数百個の銀河が集まったもの。太陽の1000兆倍もの質量があり、宇宙で最も大きい天体。地球に最も近いのは、約5000万光年離れたところにある「おとめ座銀河団」だ。






科学者いわく、
「 私たちは、宇宙のさまざまなものを調べてみて、私たちが、塵くずの上に生活している事を知った。その塵くずは、ぼんやりした銀河の、最も辺ぴな片隅の、つまらぬ星のまわりを巡っている。
私たちは巨大な宇宙空間の中の、小さな粒に過ぎないが、それだけではない ! 私たちは、永遠の時間の流れの中で、ほんの一瞬だけ生きているに過ぎない。
今、私たちは知っている!宇宙は、その最も新しい誕生の時から数えても、150億年か200億年もたっている、という事を。これは、ビックバン(大爆発)と呼ばれる、すさまじい爆発があったときから数えた年数だが、その宇宙の始まりの時には、銀河も、星も、惑星も、勿論、生命も文明もなかった。まばゆい一様な火の玉が宇宙空間の全てを満たしていただけだった。  ビックバンの混乱から、秩序ある宇宙への過程で、物質とエネルギーの恐るべき変換があった。私たちは、今 その事を知り始めたところであり、私たちは、それを覗いてみる特権を持っている。そして、どこかで、もっと知的な生命を発見するまでは、私たち自身が、あらゆる変換のなかで、最もめざましい変換なのである。
私たちは、ビックバンのはるかな子孫であり、宇宙の中から生まれてきた。塵くずから生まれてきたのである。
そして、いまや、その宇宙を理解し、ある程度その宇宙を変換しようとさえしている。」




何故ビックバンが起こったのか?
ビックバンのときの状態はどうだったのか?
ビックバンの火の玉(物質)を包んでいた空間は?
(ビックバン以前には何があったのか?)
何もないところで突然、宇宙は生まれたのか?無から作られたのか?


アメリカのカール・セーガン博士は著書「COSMOS」 に述べています。

「 ・・・・・物質は突然、無から作られたのだろうか。それは、どのようにして起こったのだろうか。多くの社会の人達が、この問題に対して、ふつう 「神が無から宇宙を創造した。」と答えてきた。しかし、それは一時しのぎの答えにすぎない。
もし、私たちがこの問題を勇敢に追及しようとするなら、私たちはもちろん、次に「その神はどこから来たのか』と尋ねなくては成らない。そして、もし『その問題には答える事が出来ない」と私たちが言うのであれば、なぜ神の創造などと言わずに「宇宙の起源は、答える事の出来ない問題だ」と言わないのだろうか。あるいは、もし『神は常に存在していた』というのなら、なぜ神などを出さずに『宇宙は常に存在していた』といわないのか。・・・・・・・
・・・・・・・人間のどのような社会も『自然に循環がある』という事実を知っていた。しかし、もし神がそのような循環を欲しなければ、どうして、そのような循環が起こりうるのだろうか。起こりうるはずがないと考えられていた。また、人間の世の中に循環があるならば、神々の世界にも循環があるだろう、と考えられていた。宇宙は、生と死との巨大な、まさに無限の繰り返しである、と考えた人達もあった。 そのような考えを信じた、世界でただ一つの宗教はヒンズー教であった。疑いもなく偶然によるものであるけれども、ヒンズー教の時間の尺度は、現代の科学的な宇宙学と一致している。このような一致がみられる宗教は、ヒンズー教だけである。 ・・・・・・・・
ビックバン以来、宇宙が膨張し続けていることは、どうやら本当らしいが、しかし、永久に膨張し続けるかどうかは、決してあきらかではない。膨張は次第にゆっくりしたものとなり、やがて止まり、逆向きになるかもしれない。・・・・・ このような因果関係の逆転は何を意味しているのか。それを分かったようなふりをすることは、私たちには出来ない。 そんな時代になったら、人々は墓の中から生まれ、子宮のなかで死ぬのだろうか。時間は後ろ向きに流れるのだろうか。こんな問いに意味があるのだろうか。・・・・・ もし、逆に宇宙のなかの物質が、ある臨界量よりも少なければ、遠ざかってゆく銀河の引力は、膨張を止めるだけの力がなく、宇宙は永久に膨張し続けるだろう。・・・・・ 」

このような膨張宇宙論に対し振動宇宙論があります。どちらにしても分からない事が多すぎるので神頼みにしてしまいがちですが、カール・セーガン博士は現在分かる事を述べ、分からぬ事は今の時点では、分からないと言えることの大切さを、伝えているような気がします。
真実を見る(判断)目を養う!この事は何にでも共通するように思えます。未知の部分で人々に恐怖を与えたり、占い(又は占星術)など、魑魅魍魎が蔓延る事に警鐘を鳴らしています。
・・・・・・・現在では、世界の科学者も最初の「?マーク」の疑問には答えられないのです。まだまだ宇宙には分からない事が多すぎます。否、将来も分からないまま人類も!地球も!太陽も!そして宇宙も終っていくのかも知れません・・・・・・・!?


【参考】
物理学者のスティーブン・ホーキング博士は、イギリスの大学で講義している時に、ある学生から質問された「宇宙の大きさを教えて下さい」との問いに対して、「それは君(人間)が認識できる範囲であり、現在・計算可能な範囲が宇宙(現在の宇宙)である。」と答えたそうです。
宇宙に対して、これ以上無いほどの的確な答えのような気がしますし、彼のM理論にも繋がる答えではないかと思います。



このことは、お釈迦さまの言う「捨置」に共通する事かも知れません。


カール・セーガン博士は、この様にも述べています。「 宇宙の大きさと年齢は、人間の普通の理解力を超えている。私たちの小さなふるさと「地球」は、果てしない永遠の宇宙のなかの、迷い子である。宇宙の事に比べれば、多くの人のどんな心配事も、とるに足らない、つまらない事のように思えてくる。・・・・・・・ 」

私たちの太陽系が籍を置く、銀河系(天の川・Milky Way)の大きさは、直径10万光年(光の速さで走り続けても10万年経たなければ到達できない距離)で、太陽と同じような星(恒星)が、1000億個以上あります。
この様な星雲/銀河が数限りなくあるのが宇宙です。
私たちが考える大きさを、超越しています。「無限大」という言葉がありますが、まさに宇宙は、私たちから考えると無限の世界の産物でしかありません。
その宇宙の事を考えられる、私たちは、無限の事を理解できる数少ない生物ではないでしょうか?
私たちの頭の中にも、宇宙に匹敵する「小宇宙」が存在するような気がします。私は、一人の人間として、宇宙よりも大きく悩む事が有っても良いように思えます。

悩んで悩んで解決する人もいれば、自ら命をたつ人もいます。 (星の世界でも同じような現象が見られるようです。) 
・・・・・・・・・ 科学や物理学、力学のように割り切れない人類の悩みは、この広い宇宙に誕生し、終局にまで進化した生物として、特別に与えられた哲学(試練)のように思えてしょうがない。

しかし、そんな時、広い高原に出て、夜空を見上げると、空全体に驚く位の星が溢れています。一つ一つの銀河や星を見ていると、時を忘れます。 一時ですが、「もう一度遣ってみるか!」 そんな言葉が自然に出てきます・・・・・・・。





次のテーマ・「地球の生成」にいく前に・・・・・・・


太陽の表層爆発
写真/国立天文台

太陽観測衛星「ひので」が捉えた太陽の表層の爆発。 太陽黒点の近くでは、太陽フレアと呼ばれる爆発現象が発生することがあり、X線やフレア粒子、プラズマのかたまりなどを周囲に放出します。


身近なところで「太陽(恒星)」は何故輝いているのかを、簡単に書いてみます。


アンシュタインの相対性原理によりますと、物質とエネルギーとは対等であるようなんです。 しかも僅かな物質がエネルギーに変わるだけで、その量は莫大なものと成ります。
つまり太陽のような恒星の成分の大半が、宇宙で最も簡単な元素の水素が次に簡単な元素のヘリウムに移り変わる時に膨大なエネルギーが出ます。
これは手の込んだプロセスを除き簡単に説明しますと、水素の原子核4っが集まって、ヘリウムの原子核1っができ、水素からヘリウムの原子核が出来ます。これは太陽のような1000万度〜2000万度といった高温の場所で始めて可能な現象なのです。
このときに原料の水素に比べて、出来上がったヘリウムのほうが僅か(0.7%)に重さが軽い。たった0.7%の差異があの物凄いエネルギーに変わり、輝き、熱を出し続けています。これが核融合反応です。
自然が造り上げた物凄い大きさの「原子爆弾」・・・・・その恩恵を被って我々人類が生存しています。

突然・申し訳有りませんが、(!?) 我々の太陽は宇宙の恒星の中では実に平凡な星です。 がむしゃらに働いていますが、社長に成れそうもなく、精々係長止まりのうだつの上がらない平凡な万年係長社員です。 社長レースに乗っている星は太陽の1万倍、2万倍〜何万倍、という恐ろしい位の明るさ(エネルギー)を出し、まっしぐらに社長レースを走っています。
しかし、万年平社員の星もいます。その星たちは、太陽の2000分の1〜3000分の1くらいの明るさ(エネルギー)で、窓際に追いやられています。平凡な我が太陽は出世はしそうもありませんが、定年まで後約50億年、健康だけの取得で何とか働けそうです。
我々人類としては我が太陽が、猛烈社員でなく、なんとも平凡なサラリーマンで助かっているのです。上記写真の爆発(怒っている様な姿)を見ると とても平凡には見えませんが、これでも かなり平凡なのです。・・・・・平凡に感謝!

又、太陽は、毎秒20Kmという速さで移動している事が分かりました。当然地球も同じ速さで、太陽にお供しているので、年間にすると6億Kmも移動している事になります。自転に公転!さらに違う動きをしている訳です。
我々生物は地球の上で、地球が動いてる事を全く感じない。引力のおかげである事は分かっていますが、少しの揺れも、目まいも感じないのは不思議でしょうがない。




この平凡な星(恒星)太陽はどのようにして誕生し 死んでいくのでしょうか。

宇宙に散らばったガスや塵(水素)が薄い雲のようなものを作り、長い時間をかけて濃く固まりのあるガスの雲へと変化し、次第に自分の重力で真ん中へ真ん中へと落ち込んでくる。
そして、だんだん中心の密度が高まり、温度が急激に上昇し輝きだします。
この輝きは、前に書きましたように水素をヘリウムに変えて輝いています。
太陽の寿命は約100億年ですが、恒星の中には猛烈な勢いでエネルギーを出し(消耗)、太陽の何万倍もの明るさで輝き、数億年の寿命で終る星もあります。
太陽は寿命の90%の時間を安定した状態を続け、最後は今の大きさの200倍以上になり、地球の軌道も飲み込んでしまいます。
次の項で述べるつもりでしたが、地球の最後は太陽に飲み込まれて蒸発してしまいます。 地球の最後については、最近まで凍りついた暗黒の星になると思われていましたが、以外にも灼熱地獄を経て蒸発してしまうようです。太陽はさらに膨張を続け、限界点に達した後収縮し小さな星になってしまいます。
恒星の質量によっては、何億倍にも輝き最後に爆発してしまう星(超新星)や中性子星といわれるとてつもない質量になる星もある。その密度は1立方センチメートルのものが数億トンもあったり、直径は10Kmしかないのに、その質量が恒星なみという化け物のような星です。
さらに進むと有名な「ブラックホール」となり、全ての物質を閉じ込めてしまうくらいの大質量の星(こうなると星というよりも、ブラックホールとしか呼べない)に成ります。


アンシュタインの相対性理論によりますと、大質量の物体の周りでは、空間がゆがむと言われ実証されています。あながちブラックホール理論は架空の論理でもないようです。





ウロボロスの図
Never Ending
光速に近い速さで宇宙が膨張し続けているのに辿り着かない果て! その拡大し続ける「膨大な宇宙を包み込んでいる世界」は ・・・・?  >  終わりのない大きさ!
≪ Never Ending ≫


東京大学大学院理学系研究科
物理学専攻教授 / 佐藤勝彦氏
は、このように述べています。

宇宙論研究は今二つの方向で進んでいる。第1は最近しばしば言われる精密宇宙論の方向である。20世紀末に宇宙論パラメータの基本的値はほぼ決まり、21世紀の課題はこれを精度よくきめ、かつインフレーションを含むビッグバン宇宙論を基に、宇宙進化の描像を明確に描き出すことである。宇宙背景放射観測衛星、WMAPは宇宙の年齢を137億年±2億年と有効数字3桁で決めた。 ESAが2007年に打ち上げるPLANCK衛星は、宇宙の密度や曲率などの量、宇宙の進化の描像をさらに精密に決めることになる。 また宇宙における構造形成、天体形成、化学進化の研究は、今爆発的に進みつつある。現在、すばる望遠鏡をはじめとする10メータクラスの巨大望遠鏡が世界で10台以上稼動する時代となっている。 さらに、日本のX線天文衛星、「すざく」、赤外線観測衛星「あかり」をはじめとして宇宙空間から全波長での観測が進んでいる。宇宙論は、今はっきりと、“論”から天文学となったのである。21世紀前半には、観測によって豊かな宇宙進化の描像が天文学として描き出されるであろう。 21世紀末には、COBEが宇宙開闢30万年ころの宇宙の地図を描いたように、重力波によってインフレーションの起こった頃の地図が描かれると夢見ることもできる。 
しかし、同時に期待したいことは、従来の理論に矛盾、もしくはそれまでの理論では説明することのできない観測が出てくることである。知の世界の体積が膨らめば当然それだけ、その表面、フロンテイア、も広がるのは当然である。実際、ダークマター、ダークエネルギーの問題は大きな謎である。我々は、我々の住んでいるこの宇宙を構成する物質の99%が何であるかをまったく知らない。 第二の方向はこの謎へのチャレンジである。ダークマターの候補としては超対称性理論が予言するニュートラリーノをはじめとして各種の素粒子が考えられている。その直接検出を目指す実験も行われている。2007年に稼動するであろうLHCによって何らかの示唆が得られることを期待したい。一方ダークエネルギーの存在の“発見”はそれが正しいならば、宇宙論的意義以上に物理学の根幹にふれる発見である。
科学は矛盾や謎を解くことによって進む。これらの謎は21世紀宇宙論への鍵である。



 地球の誕生・/生命の誕生
月・水星・金星・火星
について


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